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経済情報学部の加納ゼミは
2023年度、経済学に関する学術書の
輪読から、
地域の課題を発見し
解決策を提案するコンテストへの
参加に活動を転換。
その1期生になった横谷直也さんと
指導に当たった加納教授が、
課題解決のアイデアを他大学と競った
初のチャレンジを振り返ります。

加納教授と学生の横谷さんが話している様子

横谷 直也 さん

加納 正二 教授

名産を通して
地域の知名度をアップ

加納 教授 加納ゼミでは地域課題の解決案を、他大学との報告会で発表しています。参加するのは、岐阜県内の大学や短期大学が加盟する「ネットワーク大学コンソーシアム岐阜」主催の「学生による地域課題解決提案事業」です。このゼミ活動は、横谷さんが3年生になった年が初めてでした。
横谷さん 加納ゼミに参加したのは金融を学ぶためだったため、当初は戸惑いました。ただ金融については、2年次にファイナンシャルプランナー(FP)の資格を取得した時に勉強したので、学生時代にしかできない貴重な体験になりそうな課題解決案の提案に力を注ぐことができました。
加納 教授 横谷さんのグループが考案したのは「飛騨牛の地交地生(ちこうちしょう)」でしたね。
横谷さん 地域活性を課題とし、岐阜県の知名度アップを目標にしました。飛騨牛を取り上げたのは、白川郷のような観光地では現地まで足を運んでもらわなければなりませんが、「食」であれば県外の人にも届けやすいので、飛騨牛を通して岐阜県を知ってもらうチャンスが広がるだろうと考えたためです。
加納 教授 広く知られている「地産地消」という言葉から発想を得た「地交地生」という新語がよくできていて気に入っています。
横谷さん 「地産地消」は地域で完結してしまうため、飛騨牛の知名度が県外で高まりません。全国には松阪牛や近江牛などのブランド牛が各地にあり、そうした他地域と交流するなかで、それぞれの土地ならではの良さを生かせる仕組みを考えようとグループで話し合った結果、「地交地生」という新しいキーワードがひらめきました。他の「地」と「交」わり、お互いの「地」を「生」かす、という意味です。

加納教授と学生の横谷さんが座って話している様子

専門分野の発想にない
可能性の広がり

加納 教授 横谷さんのグループは、飛騨牛という枠組みの中で、エコフィード、後継者育成、販売促進という3つのテーマを立てたのでしたね。
横谷さん 加納先生のアドバイスによるテーマ立てでした。グループの3人が一つのテーマについて議論して進める方法もよいですが、異なるテーマを3本立て、学生各自が一つずつ課題を担当し、残りの2人がそれをサポートしてはどうか、と。その結果、飛騨牛にまつわる課題を多角的な視点で考えることができました。
加納 教授 3つのテーマの中で、横谷さんはエコフィードの担当でした。エコフィードとは、食品の製造過程で出た不要品や副産物、売れ残り食品などを再利用して作る飼料です。
横谷さん エコフィードという単語自体、加納先生に教えられて初めて耳にしたというレベルからのスタートでした。そこでまずは自分なりに調べ、そのうえで畜産業の後継者育成に力を注ぐ高山市と飛騨市の市役所、さらにエコフィードを作る企業に話を聴きにうかがいました。先生にはアポイントの取り方や先方を訪ねた時のマナーを事前に教えてもらい、取材当日も付き添っていただきました。
加納 教授 ヒアリングしたことから考案する解決策には、学問的な裏づけが必要です。一方で現場の話を聴いてより明らかになることがあり、それは経済学等の講義を補完する役に立ちます。研究者は自分が専門とする分野の専門用語を使って考えます。エコフィードであれば、ビジネスエコシステムだ、と。それを学生たちが発想すると「地交地生」になる。その新語には、ビジネスエコシステムという単語にはない要素が含まれていて新しい発想だと感心しました。これまでにない斬新なアイデアが生まれる予感がしました。

加納教授と学生の横谷さんが立って話している様子

大学生は
きっかけ一つで急成長する

加納 教授 2024年度の3年生も地域課題の解決案を提案し、4年生になった横谷さんは卒業研究に取り組みました。卒研は本学部の必修科目というわけではありませんが、私のゼミでは奨励しています。横谷さんは出身地の町を活性化する提案を卒業研究のテーマに選びました。
横谷さん 少子高齢化が進み人口も減っている出身地の川辺町を、町を南北に流れる飛騨川とそこに造られた川辺ダムで盛んなボート競技を柱とした活性化案を卒業研究としてまとめました。町役場へのアポイントやヒアリングなど、3年次は先生にサポートしていただきながらグループで取り組んだ一連のプロセスを一人で進めることができたことに、自身の成長を感じました。
加納 教授 研究を順調に進めていることを聞いて、喜ばしい気持ちになりました。大学生は、きっかけをつかむと急成長を遂げます。そういう学生をこれまでも見てきましたし、横谷さんもその一人になったということです。